前回の投稿から半年以上経ち、いまだにフレット打ちに悩んでいます。
前回の考察でうまくいきました。
しかし、うまく行かない場合もありました。
この差はなんでしょうか?
自分の中で、この差を言語化出来ていません。
つまり説明できません。
ということはフレット打ちの技術が完全に身についたわけではない、ということです。
ここではほとんど触れていませんが、レスポールが完成したのですが、フレット打ちに納得がいかず、完成してすぐに打ち直しました。
この時もやはり自分の設定している基準に届きませんでした。
理由を考えると、動画の中で語っている内容に加えて、さらにいくつか改善点が浮かびました。
1.RブロックのRがぴったりすぎる
打ち込み時にフレットを押し込むメイプルのブロックのRが、指板Rにぴったりすぎる問題です。
ブロックのRは指板のRよりも少し緩いほうが良いですね。
いろいろなパターンがあると思いますが、面で一気に押し込むというより、力がかかるポイントを少しずつずらしながら、押し込むイメージかと思います。
なので、いま使っているブロックをすこし削り直す予定です。
2.ネック枕の形が微妙に悪い
セットネックやスルーネックの場合、フレット打ちの際はネックの下に枕をかませます。その枕の断面のRと、ネックのRがうまくフィットしないと、フレット打ち込む時に金槌で加えた力が逃げて、打ち込みが弱く半端になります。
たまにやわらかいクッションの上とか、タオルの上とか、ひどいときは膝の上でやっている信じられない人もいますが、力がしっかり伝わらないとフレットが最後まで入りません。
ネック枕にはコルクやゴムを貼りますが、それも本当は力を吸収してしまうのでよろしくないのです。傷つけないためには仕方ないので、せめて接するのが1点にして、そこに力が集中するように枕の位置を調整します。
接する位置(打ち込むフレットの真裏)が少しでもずれると、やはり隙間が少し出てしまいます。
3.結局完璧ってなんなのか? という疑問が解決できない
自分の所有しているギターやベースを見ても、ハイエンドだからといって完璧にフレットが打ち込まれているとは限りません。
PRSの90年代初期24カスタムは、フレットがきっちり打ち込まれています。
90年代後半のinnerwoodのベースGig4も、フレットがきっちり打ち込まれています。
2000年代後半のFbsssの6弦は、フレット真ん中に隙間があります。ですが、力を加えても動かないので浮いているというわけではないようです。
指で押して動くような浮きは、演奏に完全に支障を来たすので問題アリですが、そうでない場合の浮き(隙間)は、完璧ではないがフレットの機能として問題なし(フレットすり合わせがしてある場合は)と言えます。
フレットを打ち込んだ直後は隙間がなくても、しばらく経つと隙間が出てくることもありますし、実際私のレスポールもそうでした。
フレットの端に隙間があると、クロスが引っかかったりするのでどんな場合でもNGですが、私のレスポールは端はきっちり隙間がないので演奏に違和感がないし、すり合わせもしっかりしたのでとても弾きやすく仕上がりました。
でも、目指す100点ではありません。
フレットのタングの幅、指板のフレット溝の幅、フレットのR、指板のR、溝の綺麗さ、打ち込み環境の設定、打ち込みブロックのR、ネック枕の形状と、様々な条件をすべてクリアできたとして、打ち込み直後は完璧でも、しばらくして出てくる隙間はどうしたら防げるのでしょうか?
おそらく答えは接着剤だと思います。
アロンで接着してしまう人も結構いますが、私は今のところ接着剤使用に関しては否定的です。
フレット打ち直しを考えると、そこまでして打ち込むことが楽器にとって良いことなのか疑問です。
タイトボンドを薄めて使うというリペアマンもいるようなので、それなら真似してもイイかと思っています。
ともかく、目指す完璧にたどり着く道には、まだ多くの選択と、多くの難問が立ち塞がっています。
4.最後まで諦めるな!
何が言いたいかというと、フレットのすり合わせをする前までなら、なんどでも打ち増ししても良いということ
クリアのバフ掛けまで終わり、フレットのすり合わせ直前に打ち増しすると、傷のないネックに傷がつく可能性が出てきますが、それでも追加で打ち込んで隙間がなくなるなら、そうすべきです(接着剤を使ってない場合だけだけど…)。
いろいろ書きましたが、まだ最終的な結論、答えは出ていません。
まだまだこれから何十本とフレットを打ち込んで、少しずつ完璧に近づいていけたらと思っています。
いや〜 フレット打ちって 本当に難しいですね。
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